魔導兵装《ヴェノムロイヤー》


旧魔導歴時代に、ヒストリア帝国によって開発された特殊な兵器。帝国最大の発明にして、旧世界で栄えた魔導技術の結晶。
正式名称はVenom Royer 魔力を意味するVenomと破壊者を意味するDestoroyerを組み合わせた造語であり、
『魔を滅ぼす者』という意味を持つ。
魔術を使えない人間が魔術師や魔物に有効な攻撃を放つ事が出来る、唯一の武装である。特に魔導大戦時には多くのヴェノムロイヤーが開発された。
現在では魔導士の標準装備であり、旧世界の廃建造物群〝遺跡〟からの出土が最も多く、見つかったヴェノムロイヤーは魔導機関『AR・CA・NA』により管理されている。
それぞれが多種多様な外観と特性を有しており、全く同じ、というヴェノムロイヤーは殆ど存在しない。
1つのヴェノムロイヤーに対し、1人の人間が所持、それぞれ兵装と適合した者が契約する事が可能。契約者は〝対価〟と呼ばれる代償を支払う事で、〝魔導〟という魔術に似た不思議な力を扱うことが出来る。対価の種類や魔導の効果も兵装ごとに違う。
魔導発動の前にヴェノムロイヤーを起動する必要があり、所持者が〝トリガー〟と呼ばれる合言葉を口にすることで起動する。一度起動すれば何度も言う必要はなく、支払う対価が底をつくか、使用意思が消えると停止する。トリガーの内容も兵装によって違う。
また、ヴェノムロイヤーは少なからず魔力を内包しており、普通の人間が所持すると魔力に体を蝕まれてしまう為、およそ1000人に1人という割合で生まれる『魔力への耐性を持った人間』、通称〝適合者〟である事が前提条件となっている。
現在の技術では修理・開発する事の出来ないロストテクノロジーの1つであり、損傷度合いによってアルカナによるランク付けが行われている。
機能に一切の損傷なく完全な状態で出土したものを
〝SERIES:Relic〟(レリックシリーズ)。
強力な物が多く、希少な為にエリートである特務魔導士にのみ契約が許可されている。
一部機能が損傷している状態で出土し、現代の技術で穴埋めしたものを
〝SERIES:Repair〟(リペアシリーズ)
僅かに損傷している為、レリックシリーズ程では無いが、十分に強力である為、標準魔導士からの契約が許可されている。
機能が大きく損傷している状態で出土した不完全なものを
〝SERIES:Lost〟(ロストシリーズ)
大きく損傷している為レリックシリーズやリペアシリーズ程に強力なものは少ないが、出土量が多い為に、試験魔導士はロストシリーズのみ契約が許可されている。