魔術師

人類と対をなすもう1つの知的人型生物。


生まれつき体の周りに薄い魔力の膜が張られており、物理的な攻撃を著しく弱体化させてしまう。その為、魔術師に有効な傷を与えるには魔術かヴェノムロイヤーによる魔導が必要とされる。


魔力に適応した体を持っており、内部に魔力を溜め込み、体内の魔力を用いて〝魔術〟と呼ばれる不思議な力を行使する。


体内の魔力が欠乏することで魔術を使用できなくなり、無理矢理に魔術を行使しようとすると最悪死に至る事もあるが、周囲の魔力を取り込む能力を持っている為に結界内では魔力吸収を挟むことで、事実上ほぼ無限に魔術を使用することが出来る。


中でも強力な魔術師は〝特定警戒対象〟としてアルカナによりランク付けされており、危険度S、危険度SS、危険度SSSの3つに分けられている。
大まかではあるが危険度Sは標準魔導士と同等、危険度SSランクは特務魔導士と同等の力を有していると言われており、SSSランクに関しては魔導士が集団で挑む必要がある。


個々が非常に強力な存在である為に人類と比べて数が少なく、旧魔導歴時代、新魔導歴時代共に多く見積っても人類の100分の1以下程しか存在しない。


それ故に人類には〝大多数と違う異端者〟と見なされ、遥か昔から差別・排斥され、結界内に追いやられた過去を持つ。


その為、魔術師の多くは人類に対し強い恨みを持っており、人類と幾度となく争ってきた。それ故に人類の多くからも敵視されており、溝は非常に深い。


およそ500年前には魔術師達が人類に大反乱を巻き起こした〝魔導大戦〟を引き起こしている。


魔術師の大半の容姿は人間と殆ど変わらないが、稀に角や翼を持っていたりなど、人間とかけ離れた姿をしている事もある。


更に寿命は体内に溜め込むことの出来る魔力総量に応じて違い、少ないものでは人間と同じく100年程、多いものでは1000年以上生きる魔術師も存在する。


このように個体差の大きな種族であり、人間と同じ容姿であれば魔術を使用しない限り、魔術師だと見抜くのは極めて難しい為、人間社会に溶け込んで生活する者も存在する。




また、死んで暫くすると魔力の残滓が体内で結晶化する。宝石のように見えることから魔石と呼ばれるが、時間が経過するに連れて霧散していく。