ヒストリアを蝕む高濃度の魔力地帯。結界外にも魔力は存在しているが、人体に影響を与えない程度の濃度である為問題は無い。


結界内には強い魔力が充満しており、中でも濃度の高い地点では魔力が可視化し霧がかったようになったり、物質が下から上に昇るなど物理的にありえない現象が起きる事もある。


植物が異常な成長をしていたりなど樹海のような場所もあるが、かつての旧世界、ヒストリア帝国の建造物群が残る〝遺跡〟も多数存在し、アルカナによって調査が行われている。


結界と呼べる地域は遥か以前から既に存在したようだが、その頃は世界のほんの一部でしかなかった。旧魔導歴時代には排斥された魔術師達が結界内に逃げる事が多々あり、それが結界拡大の初期要因だったと推測される。


しかし魔導大戦により使われた魔術や、死んだ魔術師から放出される魔力により結界の面積は爆発的に増えたとされ、現在はヒストリアの70%程度まで汚染が進んでいる。こうしている今も少しずつ結界の範囲は広がっている。


人間を初めとした魔力を持たない人間には毒となる為、数日も結界内で生活すれば死に至る。唯一結界内でも過ごすことの出来る人間は、後述する〝適合者〟という選ばれた人間達のみ。


広がった結界、そして結界内で生まれる恐ろしい化物、〝魔物〟による捕食のせいで、ヒストリアに住む人間以外の犬や鳥などの生物の数は激減してしまっている。


無論、魔力を体内に持つ魔術師や魔物にとっては最高の居住地である。